兎×虎。13話と14話の間、空白の10ヶ月間のお話。
ザ☆ヒーローショウ2で無料配布したものです。



in your pocket




 本日のシュテルンビルトの最高気温は、華氏九十一度。
 窓から外を眺めれば、真夏の空から灼熱の午後の太陽がギラギラと照りつけているのがわかる。シュテルン湾や川からの水蒸気で、景色はわずかに靄がかかっていた。
 ついさっき横目で眺めたテレビモニターに映るニュース番組では、セントラルパークの噴水で水浴びをするこども達の姿が映し出されていた。こどもだけじゃなくて、おとなも、犬も、噴水で大はしゃぎしている。
 こんな日には、空調の効いた僕の部屋でのんびり過ごすに限る……はず、なのに。
「バニー、はーやくしねぇと日が暮れちまうぞぉ?」
 はず、だったのに!
「……すぐですから、もう少し待って下さい」
「へーい、りょうかーい」
 間延びした声の語尾が、あくびのせいでますます間延びした。まったくもう、この人ときたら!
 鏡の前でヘイゼルカラーのコンタクトを入れながら、僕はつい笑ってしまう己の口元を引き締めようとして物の見事に失敗した。
 鏡の中には、幸せいっぱいの男の姿。恋人のちょっとしたおねだりに、緩みきった顔を晒していそいそと身支度を整えている。平凡で、そして柔らかな光景。
 ……どこにでもある、誰でも手に入れる事ができる幸福なのかもしれないけれど。僕はきっと、虎徹さんに出会わなければこんな幸福を知る事なく生きて行っただろう。出会えた事が、そして彼とバディになれた事こそが奇跡のような幸運なのだと、心の底から思う。
 僕の世界を変えてくれた人。
 沈み込んだように色を失くしていた僕の世界を、鮮やかな色と光で満たしてくれた人。
 ……何者にも代えられない、僕のたったひとりのバディ。
 彼と組んでのヒーロー業が、目下のところ僕の仕事にして最大の楽しみになっている。両親の仇であるジェイクを倒した今、こだわりなどなかったヒーローという職業を僕が続けているのは、ワイルドタイガーが僕の相棒だからというのが主な理由だ。……決して、人には言わないけれど。
 虎徹さん本人にこんな事が知られたら、どんな顔をされるだろう。ヒーローであるって事に、あんなにも誇りとこだわりを持ってるあの人に。呆れられるくらいじゃ済まないかも知れない。
 いや、もちろんヒーローを続けているのは、虎徹さんばかりが理由じゃない。僕なりの使命感だとか正義感だとか、マーベリックさんへの恩返しだとか、他にも理由はある。ただ、理由の大半をワイルドタイガーが占めてしまっているだけで。
「ばぁーにーぃ?」
 ……ほら来た。何ですか、その甘ったれた声。もっとも、この人には自覚がないみたいだけれど。自分がどれだけ甘い声で僕を呼んでいるかって事。自覚がないならないで、僕としてはまったく構いませんけれど?いくらでも、何度でも、好きなだけ僕の名前を呼んでくれて構わない。この人だけが呼ぶ、この人だけに許した僕の呼び名を。
「バニー、ばにーぃ、ばぁーにーいーちゃーん」
 節をつけて歌うように僕の名を呼ぶ彼の声を聞きながら、髪をざっと後ろにまとめる。ふわふわくるくると跳ねるくせっ毛を襟足で適当にくくってニットキャップに押し込んでしまえば、特徴的な僕の髪は前髪がのぞくだけになった。インスタントに髪を染めてみた事もあるけれど、匂いと感触が好きになれなかったので、今ではもっぱらこうして帽子で隠す方法を選んでいる。帽子なんて被らない主義だったこの僕が!
 顔が知られている僕は、こうしてプライベートで出掛けようと思えばちょっとした変装が必要だ。以前はあまり気にならなかったけれど(そもそも僕には本当の意味でのプライベートな時間なんて必要すらなかった)今はやっぱり、ちょっと違う。……恋人と出掛ける時に誰かに邪魔されたくないっていう気持ちは、僕に主義を曲げさせるくらいには強かったんだ。まあ、変装する時以外は相変わらず帽子なんて被らないけれど。
 変装と言っても、大した事をするわけじゃない。今のように髪を隠して、サングラスを掛けて(カラーコンタクトを入れるのはあくまでも念の為、だ)服装を、いわゆる世間が思うところの『BBJらしくない』雰囲気にすればいいだけ。それだけで、人の目は割合と簡単に誤魔化せてしまう。今まで「あれってもしかして……」なんて声が聞こえてきた事はないし、まあ聞こえて来ても逃げてしまえばいいだけの話だ。
 髪を押し込んだニットキャップの位置を直しながら虎徹さんの元へ向かえば、年上の恋人は椅子にだらりともたれるように腰掛けていた。僕の気配に目を上げて、待ちくたびれたと言わんばかりに唇を尖らせてみせる。
 ああ、もう! その可愛い口をつまんで引っ張ってやろうか!
 つまんで引っ張る代わりに僕は身を屈め、尖った唇の先を軽く啄んだ。途端、尖らせていた唇が柔らかに解ける。啄み返されて、それだけで幸せがとろりと胸に満ちた。撫でた黒髪が指先を滑る感触が、ひどく心地良い。
「……お待たせしました、虎徹さん」
 落とした囁きは、自分でも恥ずかしくなるくらいに声が甘かった。わざとじゃないんだけど、自然とそうなってしまうんだから仕方ない。ああ……という事は、虎徹さんもそうなのかな。自然とあんな声になってしまうんだろうか。もしもそうだとしたら、ちょっと……いや、すごく嬉しい。
「待ちくたびれたぞぉ、バニー」
「言うほど待ってないでしょう?」
「お耳のなが〜いウサギちゃんを待って、おじさんは首がなが〜くなっちまった」
「はいはい」
 適当に聞き流しながら、虎徹さんの腕を掴んで引っ張り起こす。存外に素直に促されて立ち上がった彼を腕の中に抱き留めて、美味しそうな首筋に小さなキスを落とした。太陽を吸い込んでこんがりと香ばしい、極上の焼き菓子。
「おわ、何だよ!」
「僕のせいでどれほど長くなってしまったのか、チェックして差し上げてるんですよ、おじさん」
 首筋の薄い皮膚を軽く啄んでそう囁けば、無意識なのかわざとなのか、斜めに僕を見下ろす虎徹さんの伏せた瞳がふっと艶を増す。
 その艶に、誘われる。
 引き込まれるようにして柔らかな唇を求めれば、薄く開いたそれが迎え入れてくれた。……しっとりと、押し包まれる。
 誘い込むようにして唇を受け入れてくれた虎徹さんに気を良くして、僕はもう少し口吻けを深くしようと顔を傾けた。途端、重なった唇から虎徹さんが苦笑する気配を感じる。薄く目を開けば、焦点が合わないほどの至近距離で、琥珀が笑いの気配を滲ませてこちらを見ていた。
 なんだか悔しくて唇を食むと、食み返してからゆっくりと唇を離して、虎徹さんがこつんと額を合わせてきた。
「……こーら、悪戯ウサギ」
「何です? キスしただけですよ?」
「この手は何だっつの……ほら、出掛けらんなくなるだろーが」
「……このまま部屋で過ごすという選択肢も、僕的にはアリですけど」
 シャツの裾から忍ばせていた手をペチリと叩かれて、僕は大人しくシャツの中から退散した。それでも未練がましく腰に手を置いて、滑らかな筋肉とその奥の骨との感触を掌で楽しむ。額を合わせたままに甘えた目つきでねだると、虎徹さんは小さく笑って。
「……それじゃデートになんねぇだろぉ?」
 この、お馬鹿バニー……。
 蕩けそうに甘い甘い声で、そう囁いた。





 そう、デートだ。何を改まってという感じだけど、そんな単語ひとつに舞い上がってしまうくらいには、僕はこの恋に浮かれて溺れている。
 昨日は二十三時に事件が発生し、僕たちヒーローに緊急出動要請がかかった。現金輸送車の強奪事件で、犯人グループとの派手なカーチェイスになったけれど、結果的に怪我人はひとりも出さないまま、事件は無事に解決した。僕たちタイガー&バーナビーも順調にポイントを獲得し、虎徹さんはまたひとつ、ランキングの順位を上げた。この人は順位なんか問題じゃないって言うけれど、活躍がきちんと評価されるのを本当は喜んでいる事はその表情からも伺い知れた。
 事後処理を済ませて会社を出たのは午前三時過ぎ。幸い今日は会社での事務仕事も取材も予定に入っていなかったので、出動要請さえかからなければ一日休みだ。滅多にない休みに胸を躍らせて、虎徹さんを僕の車に乗せたままうちに連れて帰ったというわけだ。
 明け方近くにふたりでベッドにもぐり込み、そのまま墜落するように眠ってしまった。目が覚めたのは昼近くなってからで、こんな時間まで寝てたのは久しぶりだって小さく笑う虎徹さんの顔があんまり可愛くて。……まあその、ベッドの中でひとしきりいちゃついたわけですけど。
 眠りの温度から徐々に上がっていくあの人の体温や、昼の明るい陽射しに似つかわしくない湿った囁き、ひそやかに零されるあえかな吐息……思い出すだけでたまらない気分になる。
 ベッドの中でいちゃついて、一緒にシャワーを浴びてまたいちゃついて、午後になだれ込んだブランチを食べながら、またいちゃついて。このまま快適な僕の部屋で一日過ごそうかと、そう思っていたら。
『なあバニー、これ喰ったら出掛けようぜ』
『……暑いですよ、外』
『っだ! わぁってるよ! 夏なんだから暑いに決まってんだろぉ?』
『暑いのに出掛けるんですか?』
 心底不思議だっていう声を出したら、リビングの段差に並んで腰掛けていた虎徹さんが、あーもう!と大きな声を出して僕の口にトマトを押し込んだ。僕が洗って彼が切った、大ぶりの一口。完熟したトマトの甘酸っぱさとほのかな青臭さが口の中に広がる。有無を言わさず押し込まれたトマトを、大人しく咀嚼していると。年上の恋人は唇を尖らせて、僕を小さく睨んだ。綺麗なラインを描く頬が、トマトに負けないくらいに赤い。
『……デートしようっつってんだろうが。……わかれよ、馬鹿』
 言って、頬を染めたままにふいっと視線を逸らしたその表情の凶悪なまでの可愛らしさときたら。
 ……トマトを喉に詰まらせなかった僕を、誰か褒めてくれてもいいんじゃないだろうか。





 そんなやり取りがあって、冒頭に戻るわけだ。虎徹さんから『デート』に誘われた僕が、鏡の前でニヤニヤしてしまうのは道理ってものだろう。……まあ、それでも暑いものは暑いんだけれど。
 照りつける陽射しの下、虎徹さんと並んで歩く。ただそれだけの事なのに特別な気がするのは、僕がこれをデートだと思ってるからなんだろうか。けれど、この人と出会ってから、特別じゃなかった時間なんて少しもなかった気がする。良くも悪くも、この人は最初から僕の特別だった。瞬きの一秒すら惜しいような、愛おしい時間。
 ふと、風が変わったのを感じた。むわりと停滞していたような空気が、ゆるやかに動いて頬を撫でていく。サングラス越しに虎徹さんに視線を送れば、彼はにんまりと笑って僕に行く先を指し示した。
「バニー! お祭だ!」
「……は……?」
 サウスシルバー地区の広い通りの先、シュテルン湾方面に向かって開けている場所にある、大きめの公園。普段は静かな市民の憩いの場なのだろう、そこが。
「道理でさっきから小さい子や家族連れが多いと思ったんですよ……」
 飾り付けられた色とりどりの風船。立ち並ぶ屋台からは、甘い匂い。小さな移動遊園地に、こども達の歓声。フェスティバルだ。
「確か今頃の時期にやってたよなーと思ってさ。こういうのも、たまにはいいだろ?」
 目をキラキラさせながら顔をのぞき込まれて、僕は反射的に頷いた。正直、こういったお祭に来た経験があまりないので、たまにはいいのかどうなのかも良くわからない。……わからないけれど、虎徹さんが一緒ならきっと楽しいに違いない。大抵の事がそうであるのと同じように。
 頷いた僕を見て、虎徹さんが嬉しそうに笑う。ああ、この人こういうお祭とか好きそうだなあ。こどもに混じって遊んでいる姿が目に浮かぶ。両手に風船を持って歩いていても、全然違和感がなさそうだ。
 思った通り、公園の中に入ると虎徹さんはあっちの屋台をのぞき、こっちの出し物をのぞき、その度に目を輝かせている。キャンディの量り売りの屋台で袋にいっぱいのキャンディを買った時には、僕も思わず笑ってしまった。
「またキャンディですか、ほんとにお好きですね」
「好きっつーか……まあ好きだな。ほら、これやるよバニー」
「結構です」
「遠慮すんなって!」
 ぐいぐいとポケットにキャンディをねじ込まれ、抵抗は諦めた。いつもの事だ。虎徹さんのポケットやデスクの中にはこういうキャンディの類が常備されていて、彼は自分がそれを食べる度に僕にも分け与えてくれるのだ。まるで親鳥が雛に餌を与えるように。
 口の中にキャンディを放り込みゴリゴリと噛み砕く虎徹さんは上機嫌だ。きょろきょろと周囲を見回して……って、あれ?
「虎徹さん」
「んー?」
「さっきから、何か探してるんですか?」
「え」
 きょとんとした顔で振り返った虎徹さんが、指先で顎のあたりを掻いた。
「やー……探してるっつうか」
「何です? キャンディの量り売り以外にもお目当てが?」
 何か乗りたい乗り物でもあるんだろうか。見渡した限りだと、グルグル回るブランコや回転木馬、それに観覧車といったものしか見当たらない。……もしもグルグル回るブランコだったら、僕は地上で見守る役目をしよう。
 傍らを、こども達がはしゃぎながら走り抜けていく。それを目で追った虎徹さんが、パッと顔を輝かせた。袋にいっぱいのキャンディを僕の胸に押し付けて、走り出す。
「ちょっ、虎徹さん!?」
「悪い、それ持っててバニーちゃん! すぐ戻るから!」
 追いかけようとした僕の進路は、風船を両手に抱えたカップルにふさがれてしまった。ほんの一瞬目を離した隙に虎徹さんの姿を見失い、僕はぼんやりと途方に暮れた。こういうタイプの人混みには慣れていない。下手に動けば迷子になりそうで、胸にキャンディの袋を抱えたままに僕はひとり、立ち尽くした。
 周囲は僕とは関係なしに、華やかに騒がしい。色とりどりの風船、マジックゲームの一等賞、回転木馬の寂しげなメロディ。
 不意に、自分が小さなこどもに戻ったような心地になる。迷子になって立ち尽くしているような、どうしようもない心細さ。……迷子になんて、なった事もないはずなのに。どうしてだろう、自分が何もわからず道に迷っているような、そんな心地がする。誰かが手を引いてくれないともう一歩も動けないような……そんな、心地が。
「バーニーィ!」
「……!」
 心細さと正反対の声が、僕の名を呼んだ。顔を上げれば、まるで機嫌の良い猫みたいな顔で虎徹さんがこちらをのぞき込んでいる。
「こてつさん」
「どしたー、バニー? ぼんやりした顔して」
 するり、僕の手の中に虎徹さんの掌が滑り込んでくる。乾いて温かい、力強い手。ああ、大丈夫だ。僕は迷子なんかじゃない。道を見失っても、迷ってもいないんだ。
 虎徹さんの手を握れば、年上の恋人はくすぐったげに笑って、その手を軽く握り返してくれた。
「で、どこに行ってたんです?」
「ん、ああ。これ探してたんだよ」
 これ、と言いながら彼が差し出したものは。
「……コットン・キャンディ?」
「そそ、綿飴! おまえ、食べてみたいって言ってただろ?」
 言われ、記憶を辿る。……そうだ、言った。一度だけ。でも、まさか覚えてくれているなんて。
「綿飴売ってるとこなんて、俺こういうお祭以外知らねぇからさ。どっかでお祭やってる時におまえ連れて行きたいなぁって、ずっと思ってたんだよな。見つかって良かった。…………えっと、あれ? 俺の記憶違い?」
 黙ったままの僕を見て、虎徹さんがことりと首を傾げた。慌てて首を振る。
「そっか、良かった。じゃあ、はい、これな」
 紙の筒を芯にした、ふわふわの飴。毒々しいピンク色のそれは、けれど虎徹さんの優しさのかたまりのように僕には感じられた。
 ……そう、確かに一度だけ、話した事があった。小さい頃、両親に連れられて……それこそ今思うと、こんな風なフェスティバルか何かだったのだろう……そこで、コットン・キャンディをねだった事があった話を。けれどやっぱりそれはこんな風に毒々しい色をしていて、両親に『もう少し大きくなってからね』と言われ、買ってもらえなかった事を。そのまま、両親との約束は果たされなかった事を。……自分でも忘れてしまいそうな、そんな遠い記憶なのに。
「……覚えていて下さったんですね」
「んー? そりゃおまえ、覚えてるだろ」
 くすぐったげに、照れくさそうに、でもどこか悪戯が成功したこどものような、そんな顔で。
 ああ、どうしよう。今すぐに抱き締めたい。片手には毒々しいピンクのコットン・キャンディを持って、もう片手には袋にいっぱいのキャンディを抱えて。それなのに今、どうしようもないくらいにこの人を抱き締めたい。百八十越えの男がふたり、こんなところでそんな真似をしたら目立って仕方ないだろうけど、でも。
 でも。
「どした、バニー?」
 小首を傾げた虎徹さんが、少し下から僕を見つめる。ああ、ダメだ。もう我慢できない。
「おわっ」
 キャンディの詰まった袋は、虎徹さんが驚異の反射神経で受け止めてくれた。その袋ごと、愛おしい人を抱き締める。
「えっ、ちょっ、えっ?」
 混乱したままの虎徹さんを、ぎゅうぎゅうと音がしそうなくらいに強く抱き締める。いい年をした男がふたり、コットン・キャンディを持ったままで抱き合ってるなんて、とんだコメディだろう。でも構わない。誰に笑われたって構うものか。
 ありがとうございます、と。囁いた声は掠れてしまって、ほとんど吐息のようになっていたけれど。音も、僕の心も、虎徹さんには伝わったようだった。乾いて温かな、大きな掌が僕の背中を撫で下ろしてくれる。
 ああ、次々とねじ込まれるキャンディで、僕のポケットはもうはちきれそうだ。溢れんばかりにあなたがくれる色とりどりのキャンディの、どれくらいを僕はあなたにお返しができているんだろう。……あなたのポケットをこそ、僕は満たしたいと思っているのに。
 夏の暑さも物ともせずに大切な人を抱き締めて、僕は。
 この愛おしい人のポケットをどうやって満たせるか、そればかりを考えていた。



20120826 了








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